コラム

Column

2021.10.04

写真家 ながいしほこさんに聞く
日々を豊かにしてくれる家

ながいしほこさん 世界観ブランディング

どんな家に住みたいかと聞かれたら、私はきっと、こう答える。

「日々を豊かにしてくれる家」

でもここで大切なのは、私が望む「豊かさ」と、他の誰かが望む「豊かさ」が、同じとは限らないということ。

日々を豊かに暮らしたいと願うのであれば、まずは自分にとっての「豊かさ」とは何かということを、深く知るべきなのだと思う。

ながいしほこさん 世界観ブランディング

暮らす場所には、その人の価値観が現れる。

生きていれば、調子が良いときも悪いときもあって、それでも人はどんなときだって日々を積み重ねていく。

そうして積み重ねていく日々は、無数の選択肢の集まりでもある。
自分自身が、意識的、あるいは無意識的に選び取った全ての選択肢が、自分の日々を作り上げていく。


例えば朝目が覚めて、カーテンを開ける。

ただそれだけの、毎日当たり前に繰り返す行動。

その中に、どれだけの選択肢が重なり合っているか、考えたことがあるだろうか。

暮らす家、寝室の場所、内装、ベッド、シーツ、カーテン、何を着て眠るのか、何時に眠って起きるのか。
それらを選ぶのは、自分自身。

睡眠の質を大切にする人は、眠る場所、ベットやシーツ、身につけるものまで、ひとつひとつの快適性を重視して選ぶはず。

一方で、それより見た目が大切、という人はデザインをメインに選ぶかもしれない。

両方譲れない!という人もいるだろうし、さしてこだわりを持たずになんとなく選ぶ人もいる。

そうして選び取られていく多くのものが集まる場所が、暮らす場所。
だからこそ、暮らす人の本質的な価値観が現れる。

ながいしほこさん 世界観ブランディング

こだわることが正解、というわけでもない。
大切なのは、その選択が自分を満たしてくれるかどうか。

外で嬉しいことがあっても、くたくたに疲れて帰ってきても、どんなときも「おかえり」と受け入れてくれる、暮らす場所。

その場所を、自分自身と、共に暮らす家族にとって居心地の良い場所に整えておくことは、それぞれの人生の質を底上げしてくれるのではないだろうか。

ながい しほこ / 写真家・ライター

カリフォルニアで彫金を学び、オーダーメイドのジュエリー職人を経て、写真と文章で「世界観」を表現し、伝えることを始める。発信からファンを集め、写真家・ライターとして活動中。
「魅せる」SNS写真ラボ主宰。
庭のある家で季節と共に暮らす、三児の母。